大分大学医学部附属病院で 臼杵市「アルツハイマー病発症リスクの発掘研究」に 参加され、軽度認知機能障害(MCI)と診断され、 頭部MRI検査を受けられた方・ご家族の皆様へ
第1版: 2025年 7月 14日作成
大分大学医学部附属病院で
臼杵市「アルツハイマー病発症リスクの発掘研究」に
参加され、軽度認知機能障害(MCI)と診断され、
頭部MRI検査を受けられた方・ご家族の皆様へ
~2015年8月1日~2019年9月30日の健診結果の医学研究への使用のお願い~
【研究課題名】
USUKI STUDYにおけるcerebral microbleedsと脳アミロイド沈着などとの関連の検討
【研究の対象】
この研究は以下の方を研究対象としています。
2015 年8月1 日~2019 年9 月30 日に大分県臼杵市の高齢者における認知症のリスクとライフスタイルを調査した研究(臼杵市 アルツハイマー病発症
リスクの発掘研究)に参加された方のうち、軽度認知機能障害(MCI)と診断され、頭部MRI検査を受けた方
【研究の目的・方法について】
アルツハイマー病の診断は,従来のように認知機能(記憶)などの症状に基づく診断だけでなく,アルツハイマー病の原因と考えられている脳内に蓄積している物質(アミロイドβ)を測定することが診断する上で大切になってきています。最近では脳に蓄積したアミロイドβをターゲットとする疾患修飾薬が保険適用となり、アルツハイマー病の診療に大きな変化がありました。疾患修飾薬とは、疾患の原因となっている物質を標的として作用し、疾患の発症や進行を抑制する薬剤のことをいいます。疾患修飾薬を使用することで、認知機能の低下を抑制することが報告されており、認知機能が比較的保たれている状態で使用することが望ましいと考えられています。アミロイドβが脳に蓄積している状態を判別するには脳に蓄積したアミロイドβに集まる薬物を使ったアミロイドPET検査(陽電子放出断層撮影)が施行されます。アミロイドPET 検査は高価な検査で、保険適用では1度しか実施できないため、検査するタイミングが非常に重要になります。
上述したアミロイドβをターゲットとする疾患修飾薬の適応判断に、頭部MRI検査(磁気共鳴画像)が必要となり、T2*強調像などで確認される脳内の微小出血痕の数が必要条件となり、5個以上あると使えません。なお、T2*強調像は磁化率の変化を鋭敏に捉える撮像法で、主に出血の検出目的で用いられます。これは、アミロイドβの沈着と脳内の微小出血痕には関連があるためと考えられていますが、これまでの研究では研究対象がまちまちであり、具体的な機序や統一した見解は得られていません。疾患修飾薬の恩恵をより受けることができる軽度認知機能障害(MCI)の方において、脳内の微小出血痕とアミロイドβの沈着との関連が解明されれば、今後のアルツハイマー病診療に大いに貢献する可能性があります。
本研究では、軽度認知機能障害の患者さんの頭部MRI検査やアミロイドPET検査、生活習慣や過去の病歴、血液検査の結果などをもとに、微小出血痕と脳アミロイド沈着などの因子との関連を検討することも目的としています。
研究期間:2025年9月1日~2025年12月31日
【使用させていただく情報について】
この研究では、軽度認知障害(CDR※のスコアが0.5)の方のうち、頭部MRI検査を受けた方のアミロイドPET 検査結果(陽性/陰性の判定など)と他の画像検査情報(FDG-PET/CT検査など)、他の診療情報(生活習慣、過去の病歴、血液検査結果、神経心理検査のスコアなど)を使用させていただきます。
なお,これらの検査結果や診療情報を使用させていただくことについては,本
学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され,大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また,診療情報は,国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い,匿名加工情報に加工したうえで管理しますので,プライバシーは厳密に守られます。当然のことながら,個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
※CDR(臨床認知症評価尺度)は,認知症の重症度を判定するための評価指標
のひとつです。
【使用させていただく情報の保存等について】
本研究の論文発表後10年間の保存を基本としており,保存期間終了後,紙媒体はシュレッダーにて廃棄し,パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。
【外部への情報の提供】
本研究で収集した情報を他の機関へ提供することはありません。
【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。
【研究資金】
本研究においては,大分大学医学部放射線医学講座の寄付金等を用いて研究が行われます。
【利益相反(りえきそうはん)について】
この研究は,上記の資金を用いて行われます。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。
【研究の参加等について】
本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。
【研究組織】
所属・職名 氏名
研究責任者 放射線医学講座 病院特任助教 大塚(おおつか) 健一朗(けんいちろう)
研究分担者 神経内科学講座 教授 木村(きむら) 成志(のりゆき)
放射線医学講座 教授 浅山(あさやま) 良樹(よしき)
【お問い合わせについて】
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-5934
担当者:大分大学医学部放射線医学講座 病院特任助教 大塚(おおつか)健一朗(けんいちろう)