FAQ

よくある質問

ポリクリ(臨床実習)について

ポリクリではどのようなことをやるのでしょうか?
5年生のポリクリ(1st stage)では、まずは画像診断に親しみを持ってもらうために、それぞれ1例の画像診断症例を担当してもらい、読影をしてもらいます。
2週目の後半に実際にプレゼンテーションをしてもらい、鑑別診断、最終診断を発表してもらいます。

じっくり時間をかけて読影してもらうことで正常像、異常所見のとらえ方や所見の書き方についての理解を深めていってもらいます。正解にこだわる必要は全くありません。読影する過程を楽しんでもらえたらと思っています。もちろん解説も詳細に行います。

その他にも、正常解剖のレクチャー、各検査の読影業務の実際、血管造影、IVR手技の見学、放射線治療の実際の現場を見学してもらいます。
6年生のポリクリ(2nd stage)では、学会の施設の見学がそれに加わります。希望に合わせて適宜対応することも可能ですのでお気軽にご相談ください。
何を学べばよいのですか?
まずは画像診断については、異常所見を拾い上げることができるようになってもらいたいと思います。
画像診断はどの診療科に進んでも必ず必要になり、現代の臨床医学では画像診断なしで診断、治療ができることは非常に少なくなっています。せっかく放射線科をまわるのですから、正常画像、典型的な異常所見についてしっかり学んで欲しいと思います。 そのための機会をポリクリでは設けています。

さらに放射線科という診療科がどのような診療科で何をしているのかを実習を通してぜひ知って欲しいと思います。
私たちは画像だけを見ているわけではなくて、主治医とディスカッションし、患者さんの他の臨床データも考慮して、患者さんの診断に寄与しています。また、診断業務だけではなく、放射線治療やIVRなど直接患者さんを治療することも行っています。
あまり一般的には馴染みのない診療科かもしれませんが、多くの仕事を受け持っており、病院の中でも重要な役割を担っています。
ぜひ、放射線科の役割や他の診療科とのかかわり方などを実習で見てもらえればと思っています。
カンファランスでの討論内容がわかりません。ポイントを教えてください。
カンファランスでは今この患者さんの問題点は何で、それに対してどのような対処(診断、治療)をしていくか、そのためにはどのような選択肢があり、それぞれのメリット、デメリットは何かということを考慮して、実際にはどのような方針でいくかを決めています。そのようなことに着目して参加すると、より理解がしやすいと思います。

医局について

どんな人が放射線診断医に向いていますか?
特にこのような人が向いているということはありません。臨床の場で患者さんと密に接して診断、治療をしたいという人、それよりも「縁の下の力持ち」のような働き方がしたい人、研究がしたい人などいずれの人も放射線科には向いています。
放射線科を選ぶ理由はなんですか?
全身を診ることができる、他の診療科のDrと関わりを持ち、治療方針の決定に影響を与えることができる、放射線治療やIVRで低侵襲に患者さんを直接治療したいなどを理由として放射線科医を目指す人が多いです。
MRIの原理など物理は苦手ですが、大丈夫でしょうか?
必ずしも難解な物理現象や数学の定理などを勉強する必要はありません。各画像診断/治療機器装置の特性や危険性などの基礎知識を勉強すれば大丈夫です。
放射線物理学の知識が全くありませんが大丈夫でしょうか?講義などはありますか?
はじめは皆放射線物理学の知識はありません。放射線科医を目指すなかで自然と勉強する機会があります。
放射線被曝は大丈夫でしょうか?(怖くありませんか?)
私たちの使っている放射線は法律の下、きちんと管理されています。放射線を扱う人も管理されています。放射線に関わる診療科のなかでも、放射線科医が最も厳格に被ばくを管理する責務があると考えています。
扱う人が確かな放射線の知識を持ち、知識に則り確実に操作あるいは使用していれば安全です。女性でも安心して診療に携わることができます。
放射線科での後期研修を志望する際、読んでおいた方が良い教科書はありますか?
基礎から学べますので、事前に特定の教科書を読んでおく必要は特にありません。むしろ研修中に実際の画像を見ながら、教科書を読んだりした方が何倍も身につきます。初期研修中は各科の研修に専念していただければ大丈夫ですし、臨床全般についての基礎を固め視野を広げておくことが、画像診断を学ぶ際にも役に立つと思います。
前期研修で放射線科をローテートしておらず、読影レポートを作成したことがありませんが大丈夫でしょうか?
全く問題ありません。大丈夫です。
他大学からの研修医は受け付けていますか?
もちろん大歓迎です。
他科や他医局からの転科は受け入れていますか?
もちろん受け入れます。出身科の了承が必要ですが、各科で培われた実力をもとに新たな視点からの活躍を期待します。気軽にご相談ください。
大学特有の利点はありますか?
大分大学病院は特定機能病院なので、市中病院では経験できないような症例を経験することができます。
医局の雰囲気はどんな感じでしょうか?
若い先生が元気で、和気あいあいとした医局だと思います。
他大学の卒業や、他の病院で初期研修をした場合でも、すぐに溶け込めるでしょうか?
大学の特性上、他大学出身者は少ないですが、全く問題なく溶け込めると思います。
後期研修により卒後2年以上経過してしまったのですが入局できますか?
入局は問題なく可能です。後期研修を放射線科として他の施設で専門研修プログラムを開始したのであれば、開始年度時の当講座の専門研修プログラムが受け入れ可能上限数に達していなければ大丈夫です。気軽にお問い合わせください。
放射線科に入局すると、患者さんと接する機会がなくなるのではないですか?
よく言われることですが、それは自分次第です。放射線治療やIVRでは患者さんとは密に接します。もし、それが苦手な方は接する機会を少なくするような働き方も可能です。
既にとある診療科での後期研修をはじめましたが、どうも自分に会わないような気がしてきました。 既に1年半すぎてしまいましたが、今からでも放射線科をはじめることは可能でしょうか?
大丈夫です。全く問題ありません。放射線科の専門研修プログラムに入るのは入局後になるため、専門医試験の受験はその分遅くなってしまいますが、合わないと感じる診療科にずっといるよりは自分のやりたいことをやる方がずっと有意義なことだと思います。またこれまでの経験や知識、技術が全く役に立たないということは絶対にありませんので、ぜひそのような人にこそ放射線科に来て欲しいと思っています。
専門職として手に技をつけたいんですが・・・
IVRはまさに手についた技術です。
専門はどのように選べば良いですか?
後期研修の間に放射線科のすべての分野を勉強しますので、その間に自分が興味のある分野を見つけることができます。
初期研修終了後には必ず大学に帰局しないといけませんか?
基本的には後期研修のスタートは大学からですが、関連病院の修練機関でスタートした先生もいます。
開業はできますか?
CTやMRIなどの画像診断機器装置を利用することが多いという特性上、開業をする人が多い科ではないと思います。しかし、PET-CTをはじめとする専門的な画像診断クリニックで開業したり、CTなどをリースして内科医として開業することもあります。

将来の進路・キャリア形成について

放射線科は将来的に有望でしょうか?
放射線科医は放射線診断に関する高度医療機器・装置を駆使して、全身の画像診断、IVR、放射線治療を行っており、病院の中でも重要な立ち位置にいます。
さらに放射線科医の仕事は、医療の質や安全など病院機能の根幹にも深く関わっています。常勤の放射線科医が存在することで放射線治療専任加算や画像診断管理加算の算定が可能など病院経営にも大きく貢献しています。
放射線科医が不足している今こそ放射線科医になって診療、研究を一緒にやっていきましょう。
放射線医学の今後の方向性はどうでしょうか?
画像診断・治療機器装置は日々進歩しています。これからもずっと進歩し続けるでしょう。今は形態的な画像診断が主流ですが、今後は機能的な評価のウェイトが大きくなると思います。
その最先端の機器に習熟し、新たな診断方法、治療方法に立ち会えるだけでなく、自分がその方法を開発するといったことも可能です。今は想像もできないことすら将来可能になることが期待できます。
出向先はどのような病院がありますか?
専攻医の期間は大学病院や大分市、別府市の関連病院(修練施設)で研修してもらいます。専門医(診断および治療)になってからはその他の関連病院でも勤務してもらうこととなります。具体的な施設は関連病院一覧をご覧ください。
外勤先などは紹介してくれるのですか?
医局より斡旋します。
研修後の進路を教えてください。
大学病院や関連病院の勤務となります。
実際の勤務時間は?
ドクターの1日ページを参照してください。
休みはありますか?
土日、祝日など病院が休みの時は基本的に休みです。このほかに、病院の規定の夏期休暇、有給休暇をとることができます。夏期休暇は、平日連続5日間(前後の土日と合わせ、連続7日間)取得できます。また、冬休みや春休みとして有給休暇の積極的な利用を奨励しています。
当直はありますか?
大学病院では平均して月3~4回(平日2-3回、土日1-2回)くらいあります。関連病院では当直業務があることはほとんどありません。
学会活動は盛んですか?
国内学会、国際学会とも多数の学会に参加しています。
女性医師にとって働きやすいですか?
女性にとって、とても働きやすい職場です。結婚・出産や育児に応じた勤務調整がしやすい科です。産休、育休からの復帰もしやすい環境を整えています。
女性医師の産休・育休後の復帰までの期間はどのくらでしょうか?
産休は出産前後8週ずつ取得可能です。育休は子供が2歳になるまで取得可能です(常勤職員は3歳まで)。10か月程度で復帰される先生もいますが、それは個人の環境や要望により柔軟に対応しています。
放射線科の仕事は人工知能(AI)に奪われないでしょうか?
AIの進歩は目覚ましいものがありますが、放射線科医が行う仕事の全てに置き換わるものではありません。
例えば、画像診断では、病変検出・サイズ計測・画像的特徴の抽出などの自動化、放射線治療では、照射範囲の設定や線量計算の自動化・高速化などをAIに任せることで、放射線科医は、より複雑で総合的な診断、治療適応判断、依頼医とのコミュニケーションや個々の患者さんへの対応など専門的な業務に専念できます。これからは、まさに“Radiologists with AI”の時代です。

入局・研修について

希望する入局者数は?
毎年3名程度以上の入局者が理想です。多ければ多いにこしたことはありません。
入局説明会はありませんか?
現在はコロナ禍で入局説明会が開きにくくなっています。少しでも興味のある方は個別、あるいは少人数で説明をしますので遠慮なく、ご連絡ください。
貴学出身ではないのですが?
出身大学がどこかは入局するうえでは全く関係ありません。
女性の入局は?
大歓迎です。実際に当講座には多数の女医さんがいます。
中途入局したいのですが。
大歓迎です。当講座の専門研修プログラムで研修していただきます。
入局後のカリキュラムはどのようなものですか?
画像診断(読影)、超音波手技、IVR、放射線治療など日本医学放射線学会が定める研修規定を十二分に満たす研修が可能です。
具体的な1週間のスケジュールを教えていただけますか?
週の予定は1週間ごとに決まります。各検査の管理や質の担保、読影業務、病棟業務、放射線治療、IVRなど曜日ごとにまんべんなく、研修していきます。
どうすれば読影ができるようになりますか?
各領域の代表的な疾患の画像診断において基本的なこをしっかり学んでいくのが一番の近道です。何をやるかではなく、どれだけやるかというのが大事です。
1日の読影にノルマはありますか?
基本的にすべての読影をしていますので、それが全部終わるまでということになります。個人に決まったノルマはなく、医局員全員で協力して、その日の読影を終了させます。
後期研修医は実際にはどれくらい読影をしていますか?
検査にもよりもますが、10-20件/日程度です。すべて指導医が確認、修正してレポートは確定されます。
当直、呼び出しはありますか?  頻度はどれくらいですか?
大学当直が平日が2回/月、土日祝日が2回/月くらいあります。それに加えて外病院の当直が3回/月くらいあります。大学当直では緊急IVRの呼び出し(on call)があります。
仕事は辛い?忙しいですか?
辛いことも楽しいこともあります。おそらくそれはどの診療科でも同じことでしょう。On/Offがはっきりしているので、自分次第です。
症例に偏りはありませんか?症例数の少ない分野の読影はどのように学べばよいでしょうか?
大きな偏りはありません。大学病院では貴重な症例をたくさん経験することができます。学会や研究会に参加することで他施設の珍しい症例なども学ぶことができます。
画像診断科での後期研修中に、専攻したい分野の科(呼吸器、循環器、消化器など)の臨床を短期間研修することはできますか?
もちろん可能です。ですが、他の分野を研修した期間分、放射線科専門医を取得するのが遅くなります。
研修中、関連病院などの外病院へはいけるのですか?
大分市、別府市の関連病院(放射線科専門医修練施設)で研修することが可能です。
画像診断をはじめたばかりで、読影のバイトには行けるのですか?
読影の外勤に行くのは診断専門医取得後です。それまでは健診業務の外勤などがあります。

学会・研究について

他施設で行う勉強会や学会には、月何回参加できますか?
研究会や学会には大小合わせて平均1~2回/月 参加できます。学会には演題を出すことで参加できますが、今はWEB開催の学会が多くなっており、自宅でも参加して勉強することができます。
海外への学会は参加できますか?
もちろんできます。北米放射線学会、欧州放射線学会、欧州IVR学会などの国際学会に参加できます。その他にも多数の国際学会に参加可能です。
論文は書けますか?  テーマは与えてもらえるのでしょうか?
はい、大学では論文のテーマとなる研究する環境が整っています。指導体制もしっかりしています。
学会や研究会の参加に補助は出ますか?
発表者であれば学会への交通費、宿泊費とも全額支給されます。それ以外ではすべての学会、研究会に参加できるわけではありません。