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活動紹介

2023.10.24 患者様へ

本院で大動脈瘤や大動脈瘤に対して MRI検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

〇情報公開文書

 

第 1 版:  2023 年 7 月 13 日作成

本院で大動脈瘤や大動脈瘤に対してMRI検査を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

  ~本院で大動脈瘤・大動脈解離のMRI画像の医学研究への使用のお願い~  

 

【研究課題名】

自然呼吸下・非造影ラジアルサンプリングMRアンギオグラフィでの大血管評価法の確立

 

【研究の対象】

この研究は以下の方を研究対象としています。

 

・当院で大動脈瘤・大動脈解離に対して当院でMRIを受けられた方

 

【研究の目的・方法について】

大動脈は心臓から出る動脈で人体の中で最も大きな動脈です.これを幹として多数の動脈の枝が大動脈から分岐し,脳や四肢,胸腹部臓器など全身を栄養するための血液を供給しています.大動脈は管状構造で,その壁は内側から内膜・中膜・外膜という3層構造で構成されています.大動脈瘤は大動脈がこぶ状に拡大している疾患であり、また大動脈解離は内膜が裂ける疾患であり、いずれも場合によっては破裂し、致命的な状況となる疾患です。

 

大動脈瘤や大動脈解離の診療において、画像による大動脈の形態,血管内腔、血流評価の評価が必須であり、現在はヨード系造影剤を用いた造影CT(computed(コンピューテッド) tomography(トモグラフィー))が一般的に用いられます。しかし、ヨード系造影剤は腎機能障害増悪の危険性があります。また造影剤アレルギーにより造影剤投与が困難であることもあります。さらに大動脈疾患は定期的な画像による経過観察が必要であり、繰り返すCT検査による累積被ばく量は放射線障害のリスクがあり、CTに変わる画像評価が必要とされています。

一方MRI(magnetic(マグネティック) resonance(レズナンス) imaging(イメージング))は被ばくの無い検査であり、大動脈瘤、大動脈解離などの大 動脈疾患の診断に用いられることはありますが、その描出にはガドリニウム造影剤を用いたMR(エムアール) angiography(アンギオグラフィー) が一般的です。しかし、ガドリニウム造影剤は腎機能障害のある患者さんには使用ができません。造影剤を使わずに大動脈を描出する試みもなされているが、血管の拍動,呼吸,体動により、画像のブレが生じ、広く適応されていません。

近年より使用可能になった拍動、呼吸、体動による影響を受けにくいRadial(ラジアル) sampling(サンプリング)法というMRI撮像方法を用いることで動脈内腔を高信号に描出でき、血管内腔の評価が可能となりました。

 

この研究は大動脈瘤や大動脈解離に対して、血流や血管内腔を評価する目的でMRI撮像を行った患者さんで、得られた画像を検討、画像解析することで、造影CTに遜色のない程度の血管内腔の描出が得られるか評価を行う研究で、手術における適切な治療法を選択することにつなげていきたいと考えています。

 

研究期間:2023年9月6日~2025年12月31日

 

【使用させていただく情報について】

本院におきまして、大動脈瘤・大動脈解離に対して血流や血管内腔評価の目的で撮像されたMRI画像を医学研究へ応用させていただきたいと思います。その際、MRI画像と診療情報(例えば過去に行われた手術,内服治療,採血検査結果、画像検査後の経過など)との関連性を調べるために、患者さんの診療記録を調べさせていただきます。なお患者さんのMRI画像及び診療記録(情報)を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認され、大分大学医学部長の許可を得ています。また、患者さんのMRI画像および診療情報は、国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

 

【使用させていただく情報の保存等について】

この研究で収集した情報はこの研究の論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除し、紙の資料はシュレッダーで廃棄します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は,再度倫理審査を受審し、承認を得た上で、それぞれの保存期間を超えて保存させていただきます

 

【外部への情報の提供】

この研究で収集した情報を他の機関へ提供することはありません。

 

【患者さんの費用負担等について】

本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医薬品などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

 

【研究資金】

本研究においては,公的な資金である大分大学医学部放射線医学講座の寄付金を用いて研究が行われます。

 

【利益相(りえきそう)反(はん)について】

この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

 

【研究の参加等について】

本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。

患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

 

【研究組織】

所属・職名          氏名

研究責任者 大分大学放射線医学講座 助教   道津 剛明

研究分担者 大分大学放射線医学講座 准教授  本郷 哲央

大分大学放射線医学講座 助教   島田 隆一

大分大学医学部附属病院

放射線部 診療放射線技師  岩尾 佳幸

大分大学放射線医学講座 教授   浅山 良樹

 

【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1

電 話:097-586-5934

担当者:大分大学医学部放射線医学講座

助教 道津 剛明(どうつ たけあき)